なぜ空気が乾燥すると、肌も乾燥するのか
乾燥した空気は、肌の水分蒸散を増加させるため、肌内部の水分が空気中に放出されて肌が乾燥します。
季節と乾燥
空気は温度によって、含むことができる水分量が決まっています。
その最大値を、飽和蒸気圧といい、温度が高くなるほど、多くの水分を含むことができ、温度が低くなるほど、含むことができる水分は少なくなります。
そのため、気温の高い夏は、外気の乾燥は気にならず、気温の低い冬に乾燥を感じるのです。
しかし、冬だけでなく、夏の乾燥にも注意が必要です。
夏 暑い時期
夏の主な乾燥は、室内のクーラーにより引き起こされます。
室内は温度、湿度が低い環境で、肌は、過剰な水分蒸散をします。
しかし、外気は、温度、湿度が高い環境で、皮脂や汗を分泌しやすく、肌表面はベタついているため、過剰な水分蒸散による肌の乾燥に気づかず、インナードライになります。
インナードライ…肌の水分と油分のバランスが崩れ、肌表面は皮脂過多、肌内部は水分不足の状態のこと
冬 寒い時期
冬は、気温、湿度ともに下がり、肌の水分蒸散が増加し、乾燥を引き起こします。
さらに、気温が下がることで、血行が悪くなり、肌に十分な栄養が行き届かなくなります。
すると、汗や皮脂の分泌も減少し、バリア機能を担う皮脂膜が形成しにくくなり、より乾燥肌を悪化させます。
最適な湿度
快適に過ごせる湿度は、約50~60%です。
40%以下は、乾燥状態で、ウィルスが活発化します。
60%以上は、多湿状態で、カビやダニが活発化します。
湿度が高ければ良いというわけではなく、健やかに過ごせる湿度を保ちましょう。
空気の乾燥対策
外気の湿度は、個人ではなかなか変えられませんが、過ごす部屋の湿度は工夫で、調整できます。
・加湿器つける
加湿器は、効率的に部屋の湿度を上げることができます。
また、加湿器には、空気清浄機能が搭載されているものや、除湿もできる湿度調和機と呼ばれるものもあり、空気環境を最適に導くことに優れています。
・濡れたタオルや洗濯物を干す
濡れた布の表面に接している空気が乾燥していると、布に含まれている水分が布の表面に層をつくります。
その布が風に当たると、表面の水蒸気の層が空気中に吹き飛び、布の表面は乾燥し、空気中の湿度が上昇します。
・観葉植物を置く
植物は、葉で蒸散作用を行います。
葉の気孔から葉内にたまった水分を大気中に発散させます。
そのため、空気中に水分を与え、乾燥から守ってくれます。
この作用で、根から水を吸い上げ、葉でその水を空気中に放出します。
同時に、植物は、水中や土壌中の無機栄養分も一緒に吸い上げ、葉や先端部分に供給しています。
・お湯を沸かす
日常の料理やお風呂などでお湯を沸かすことも、乾燥対策となります。
身近なところから始められる乾燥対策として、今日から意識して取り入れてみましょう。
まとめ
空気が乾燥すると、肌も乾燥します。
乾燥した空気は、肌の水分蒸散を増加させるためです。
冬だけでなく、夏もクーラーなどの影響で、空気の乾燥から肌の乾燥に繋がります。
快適に過ごせる湿度は、約50~60%です。
空気の乾燥対策は、
・加湿器つける
・濡れたタオルや洗濯物を干す
・観葉植物を置く
・お湯を沸かす
です。ぜひ、実践して、乾燥から肌を守りましょう。
コメント