ターンオーバーの働き
肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。
肌の新陳代謝とも言われています。
ターンオーバーが行われる場所
ターンオーバーは、表皮で行われます。
表皮は、4つの層に分かれています。
外側から、角質層、顆粒層、有棘層、基底層となります。
ターンオーバーは、基底層で作られる基底細胞(ケラチノサイト)が細胞分裂をし、肌の外側の層に向かって押し上げられて進行します。
一番外側の角質層まで到達した細胞は、垢となり、自然に剥がれ落ちることで、細胞の生まれ変わりサイクルが行われます。
ターンオーバーのサイクルは、基本約28日で行われます。
しかし、加齢や肌ダメージによって、そのサイクル周期は遅くなります。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの乱れとは、新しい細胞が作られず、古い細胞が剥がれ落ちなくなることです。
ターンオーバーが乱れると、肌表面に古い角質が溜まり、ざらつきやごわつきを感じます。
そして、バリア機能も低下し、外的刺激から肌を守れなくなり、ニキビや痒みなどを伴う肌荒れが起こります。
また、本来古い角質と一緒に排出されるメラニンが蓄積すると、シミやくすみとして顕在化します。
ターンオーバーの乱れの原因
・紫外線
肌は紫外線ダメージを受けると、そのダメージを回復しようとターンオーバーを早めます。
ターンオーバーが、異常な早さになることも肌への負担を高めます。
ターンオーバーが早くなると、発達しきれていない細胞が肌表面に上がってくるため、バリア機能が低下します。
また、天然保湿因子(NMF)は、ターンオーバーの過程で産生されます。
ターンオーバーが早まることによって、NMFの産生が追いつかず、角質細胞に存在するNMFの量が少なくなり、肌の乾燥を招きます。
・乾燥
肌の乾燥も、紫外線ダメージの時と同じように、ターンオーバーを早めます。
未成熟な角層細胞が生成されてしまうため、保湿機能、バリア機能は十分に働かず、乾燥だけでなく、炎症などの原因にもなります。
・間違ったスキンケア
摩擦を与える
洗顔や化粧水やオイルを塗るスキンケアをする際に、肌にゴシゴシと摩擦を与えると、肌表面が傷つき、ターンオーバーを早めてしまいます。
洗浄力の強い界面活性剤の多用
洗浄成分の一つである界面活性剤には、様々な種類がありますが、中でも洗浄力の強い成分で肌を洗うと、肌に必要な皮脂までを取り除いてしまい、乾燥を引き起こし、ターンオーバーの乱れに繋がります。
・生活習慣の乱れ
睡眠不足
入眠から約3時間後に成長ホルモンは、分泌されやすくなります。
成長ホルモンは、肌のターンオーバーを促し、ダメージを修復します。
睡眠が十分取れないと、成長ホルモンの分泌が減少し、ターンオーバーが乱れます。
・加齢
年齢を重ねると、細胞を産生する母細胞の力が弱くなります。
表皮の母細胞は、基底層に存在し、細胞を生み出すことで、ターンオーバーを促します。
その力が弱くなることで、細胞を生み出す量は少なくなり、その分、排出する量も少なくなるため、ターンオーバーは遅くなり、乱れの原因となります。
ターンオーバーを正常に保つ方法、乱れさせない対策
・紫外線から肌を守る
紫外線は、夏だけでなく冬や雨の日も、年中降り注いでいます。
日焼け止めアイテムを肌に塗ったり、日傘、サングラス、アームカバーなどの日焼け防止アイテムを用いて、紫外線から肌を守りましょう。
・空気の乾燥、乾燥肌のケア
空気の乾燥には、加湿器の使用や濡れたタオルを干すなどし、湿度を約50~60%に保ちましょう。
肌の乾燥ケアには、保湿パックや化粧水などで、潤いを与え、バームやオイルなどで過剰な水分蒸散を防ぐケアをしましょう。
・正しいスキンケア
洗顔では、たっぷりと泡を立てて、肌に摩擦が起きないように洗います。
洗い流す温度は、32〜35度のぬるま湯を使用しましょう。
洗い残しがないよう、20回ほど丁寧に洗い流します。
化粧水、フェイスマスクをして肌にうるおいを与えましょう。
最後に、オイルやバームなどを肌全体に薄くなじませ、肌のうるおいをキープします。
スキンケア用品は、強い界面活性剤が配合されていないものを選びましょう。
防腐剤、合成ポリマーなどにも注意しましょう。
・質の良い睡眠をとる
就寝の3時間以上前には、食事を済ませ、胃や腸の働きを落ち着かせましょう。
そして、就寝の2〜3時間前に入浴を済ませることで、体温の一時的上昇から下がるタイミングで、睡眠導入が行われ、質の良い睡眠をとることができます。
・バランス良く栄養を摂る
ターンオーバーを正常に保つために、特に重要な栄養素はこちらです。
・ビタミンA
肌や粘膜にうるおいを与え、ターンオーバーを促します。
食べ物:レバー、うなぎ、にんじん、小松菜、ほうれん草、海藻類
・ビタミンB2
肌や粘膜の健康を維持します。
食べ物:納豆、アーモンド、モロヘイヤ、海苔
・ビタミンB6
抗アレルギー作用を強化し、かゆみや皮膚炎などにかからないようにします。タンパク質をエネルギー変換し、合成をサポートします。
食べ物:鶏むね肉、マグロ、ピスタチオ、バナナ、ニンニク
まとめ
ターンオーバーとは、表皮で行われる肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。
ターンオーバーは、紫外線、乾燥、間違えたスキンケア、生活習慣の乱れ、加齢などの原因で乱れます。
ターンオーバーが乱れると、肌表面に古い角質が溜まり、ごわつき、シミ、くすみなどの肌悩みに繋がります。
ターンオーバーを正常に保つには、紫外線ケア、保湿、正しいスキンケア、生活習慣を整えることが大切です。
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